遺産相続についての相談は、弁護士と司法書士のどちらに相談すべきか？
遺産相続問題のご相談の中で、弁護士と司法書士のどちらに依頼したらいいですかというご質問を受けることがよくあります。ご相談者にとっては、職域の違いが分かりにくいのかもしれません。
そこで、遺産相続問題について、弁護士に相談すべき場合と、司法書士に相談すべき場合について、ご説明します。
遺産相続問題について、司法書士は、主に「登記」の専門家です
遺産相続問題においては、司法書士は、不動産の相続登記がその中心的な業務となります。亡くなった方（被相続人）名義の不動産を、相続人の名義に変更する手続きは煩雑であり、専門的な知識が求められます。
司法書士は、必要書類の収集から、法務局への申請までを代行します。
遺産相続問題について、弁護士は、「問題解決」の専門家です
相続問題においては、遺産分割協議がまとまらない、相続人間に紛争が生じている、遺言書の有効性に疑義があるなど、何らかの紛争やトラブルが発生している場合などに、その問題を解決に導くのが弁護士の役割です。
弁護士は、代理人として、法的根拠に基づいて交渉を進め、必要に応じて、調停や審判の申立て、裁判の申立てを行います。
司法書士への相談が適しているケースの具体例をご説明します
例えば、相続人全員で遺産分割協議がまとまっているとき、相続人間に対立がなく、登記手続きのみを依頼したいときなどには、司法書士に相談するのが適していると考えられます。
弁護士への相談が適しているケースの具体例をご説明します
例えば、相続人の間で、遺産分割協議がまとまらないとき、遺言書の有効性に問題があるとき、被相続人から生前に多額の贈与を受けていた相続人がいるとき、遺言書が存在するなどして、自己の取り分が他の相続人に比べて少なく、遺留分を侵害されている可能性があるとき、相続放棄を検討しているとき、相続手続き全般について法的なアドバイスを受けたいときなどには、弁護士に相談するのが適していると考えられます。
遺産相続について分からないことがあれば、まずは弁護士にご相談ください
上記はあくまでも一応の目安にすぎず、事案の内容によっては、どちらの専門家に相談すべきか判断が難しい場合もあります。
そのような場合は、まずは弁護士に相談されることをお勧めします。
弁護士は、事案の内容を詳しくお聞きした上で、適切な専門家をご紹介することも可能です。
遺産相続問題は、家族が相手方となるため、精神的な負担も大きく、一人で対応することには、相当な困難を伴います。
また、遺産相続の専門家である弁護士のサポートを受けることで、適切に問題を解決することが可能となります。
遺産相続について、分からないことがあれば、迷わず弁護士に相談していただき、安心して、解決に向けて進んでいただきたいと思います。
