不貞行為(不倫)の慰謝料に相場はある?
これまでご相談いただく中で、不貞行為(不倫)の慰謝料の相場について、ご質問を受けることが多くありました。
不貞行為には慰謝料の支払い義務が伴います
例えば、ある女性が、妻がいる男性と、妻がいることを分かったうえで、不貞行為に及んだ場合、どうなるでしょうか。
上記の行為は、夫婦の平和を壊してしまう行為ですので、不貞の事実が、証拠に基づいて配偶者に知られた場合、不法行為として、配偶者が被った精神的苦痛に対する慰謝料等の支払いをしなければならなくなってしまいます。
ただし、妻がいる男性も、連帯して同じ責任を負い、男性と女性でその責任を分け合うことになります。
そのため、女性が一人で、妻に対し、慰謝料等の全額を支払った場合、女性は、男性に対し、自己の負担割合を超える部分、例えば、2分の1に相当する額を支払うよう請求することが可能です。
不貞行為の慰謝料の相場はあるか?
ご相談の中で、不貞行為の慰謝料の相場について、ご質問をいただくことがあります。
しかし、慰謝料の額は、案件ごとの事情によって、大きく異なりますので、「相場はあってないようなもの」という回答が正確なところではないかと考えています。
そのため、不貞の慰謝料請求を受けた場合、その額が適正なのかどうかにつき、一度弁護士にご相談いただく必要があると思います。
慰謝料の金額を決めるうえで考慮される事情とは?
どのような事情に基づいて、慰謝料の額は決まるのでしょうか。慰謝料の額に影響していると考えられる事情をいくつかご紹介します。
①不貞行為時に夫婦関係が円満であったか
不貞行為時に、夫婦関係に問題が生じていないケースの方が、夫婦関係が悪化していたケースよりも、慰謝料の額は高くなる傾向があります。
②不貞行為によって夫婦関係が壊れたか
不貞行為によって夫婦関係が壊れ、離婚したケースの方が、夫婦関係が継続しているケースよりも、慰謝料の額は高くなる傾向があります。
③不貞行為自体の悪質性
積極的に夫婦関係を壊そうとしている悪質なケースでは、そうでない場合に比べて、慰謝料の額が高くなる傾向があります。
ただし、慰謝料の額は、最終的には、事案に応じて異なる様々な事情を総合的に考慮して判断されますので、上記の事情がすべて揃っているからといって、高額な慰謝料が認められるとも限りません。
慰謝料の請求を考えられている方、慰謝料の請求を受けられた方は、一度弁護士にご相談されることをお勧め致します。