相続不動産の評価額に納得できない!不動産の評価額はどうやって決まるのか?
ご相談をお受けする中で、相続不動産の評価額がどう決まるのか、ご存じでない方が多いことに気が付きました。
不動産には複数の評価額が存在します
皆様に一番身近な不動産の評価額は、固定資産評価額だと思います。
固定資産評価額とは、市役所が、固定資産税などの税額を算出するために、土地家屋課税台帳等に登録される価格をいいます。3年ごとに評価替えがされます。
二つ目が、相続税評価額です。
相続税評価額とは、相続税などの税額を算出するために、国税庁が毎年公表している路線価などにより、算定される価格をいいます。
三つ目が、地価公示価格です。
地価公示価格とは、全国2万箇所程度に設定された特定の土地について、毎年1月1日を基準日として、国土交通省から公表されている価格をいいます。
四つ目が、都道府県地価調査標準価格です。
都道府県地価調査標準価格とは、都道府県知事が、特定の土地について、毎年7月1日を基準日として公表している価格をいいます。
五つ目が、鑑定評価額です。
鑑定評価額とは、不動産鑑定士が、特定の不動産について、市場価格として算定した価格をいいます。
不動産には、このように、たくさんの評価額が存在します。
不動産の評価額はどのように決まるのか?
それでは、相続に絡んで、遺産分割協議、遺産分割調停・審判において、不動産の評価が争いになった場合、不動産の評価額はどのようにして決まるのでしょうか。
土地の評価額が争いになった場合、公的な評価額である固定資産評価額、相続税路線価などを参考にして話し合いが行われます。
しかし、双方が合意に至らない場合には、双方が不動産業者に査定を依頼し、合意できる額がないか調整が行われることになります。
それでも合意に至らない場合には、最終的には、不動産鑑定士に鑑定を依頼して、鑑定評価額を算定してもらうことになります。
建物の評価額が争いになった場合、固定資産評価額をベースに話し合いが行われますが、話し合いがまとまらない場合には、土地の場合と同様に、双方が不動産業者に査定を依頼し、合意できる額がないか調整が行われることになります。
それでも合意に至らない場合には、土地の場合と同様に、不動産鑑定士に鑑定を依頼して、鑑定評価額を算定してもらうことになります。
不動産の評価額に納得がいかない場合にはどうすればいいか?
相続財産の中で、不動産の占める割合が大きい場合には、不動産の評価額がいくらになるかで、各相続人の取り分が大きく変わることになります。
納得のできない不動産の評価額をベースに算定された取り分を安易に受け入れてしまえば、大きく損をしてしまうことになりかねません。
不動産の妥当な評価額がはっきりしないまま、遺産分割協議を進めている場合には、一度、冷静になられたほうがよいと思います。
当事務所では、不動産鑑定士と連携し、提示されている不動産の評価額が妥当なのかについて、見通しを持って、遺産分割協議や調停・審判の手続きを進めることができます。
不動産の評価額に納得がいかない場合には、一度、弁護士にご相談いただくことをお勧めします。